一学期の期末試験が終了して今日で1週間。
試験は順次返却されているが成績表はまだ受け取っていない。
もうすぐ夏休みという時期で夏季課題を受け取った科目もあるが、それは一部であり、
まだ宿題の全体(二学期の校内実力テスト範囲にもなるとの認識)が揃っている訳ではない、というそんな時期。
我が家では、各科目について夏休み中の取り組みの序章を少しずつ開始している。
国語という存在
息子にとって、この夏休みにしっかり時間を取り何とか基礎を盤石にしたいと思っているのが国語の読解だ。
中学受験の直前期から中間試験の頃まで国語の読解は主人との取り組みとして任せていたのだが、
中間試験の結果を受け、その後からは国語もやはり私が伴走することにした。
期末試験はその初回だったため、国語については中間試験後に他教科で感じたような改善点を現時点で反省しているような状態だけれど、
定期試験の勉強に伴走し始めた今回にも「気づき」が多くあった。
基礎的な問題を通して気づくこと
国語では『新中学問題集(発展編)』も試験範囲になっていた。
その問題に一緒に取り組んでいて「易しくて分かりやすい文章、設問だな」と私は感じていた。
しかし息子は読むにも解答するにもだいぶ時間がかかるようだった。
SAPIXに通っていると基本的に問題自体が高度で難しい。
受験間近になると過去問に取り組むことになるが、それもまた簡単なものではない。
しかしそのような問題を経験した後これに戻ってくると、
当問題集に引用された問題文は非常に短く設問も答えやすいものばかりで、
どのように根拠を探し解答すれば良いのか、明確かつ簡潔に解説できるものばかりだと感じるのだ。
ところがそれでさえ時間を要し、時に間違う息子を見ていて、
このような基礎的でパターンの見通しやすい問題で基盤を固める練習が根本的に欠けていたと実感させられる。
難解な問題も基礎の上に成り立つものだ。
SAPIXではそのような基礎はすでに盤石であることが前提になっており
こういった問題を出しても皆できてしまうから、
簡単で分かりやすい問題や解説はすっ飛ばされている部分があると思う。
そのような環境なのに息子のように基礎・基盤がない人が飛び込んでしまうと空中分解を起こしかねない。
これはどの科目でも言える。実は算数もそうだった。
出口汪『国語レベル別問題集』
期末試験3週間前から一時中断したものの、
中間試験後に開始し今後続けていこうと決めたのが出口汪氏の国語教材。
実は6年生になるより前に『小学国語 レベル別問題集』(全4巻)を購入していたのだが、当時はSAPIXの課題で精いっぱいでずっと置き去りになっていた。
否、6年生になった頃ここで私が嘆いていたことを覚えている。
特に算数についてだったが、私自身が「これができないならこの基礎をやり直すほうが良い」と思いそれを準備しても、
塾の宿題ならやるけれどもそれ以上のことはやろうとしてくれない、と。
本来は塾の課題を置いてでも、もっと基礎を固める取り組みをしたほうが良かったのだが。
でも今は塾がない。
本人の状況に合わせて取り組みを決定することができ、本人も納得感をもってそれに取り組んでくれる。
出口汪氏の同書は中学受験後も捨てることなく置いていた。
取り組む機会を待つように。
そしてここに来て、これに取り組むのは「今だ」という気がした。
そして、今なら時間がたくさんある。
さらに、今何とかしないと今後どんどん厳しくなる。
同書には『小学国語』4巻のあと、高校受験向けの4巻、大学受験向けの6巻が続く。
この階段を順々に上っていく予定。
浮き彫りになる問題点や課題
この問題集に取り組んでいると息子の特徴のようなものが見えてくる。
読むのも解くのも遅いのだが、
息子は「ふんわりと」読んでいる、そんな感じだ。
答えの根拠となる部分を尋ねると
「このへん?」
と言って、一つの段落をまるごと示す。
間違ってはいないのだけれど、もっと「ここ」という一か所まで絞って欲しい。
1~2文、その中でも特に大事な一か所まで詰めて欲しい。
そこに線が引けない。
つまり「アバウト」なのだ。
同書の小学校レベルは論理的読解の基礎を築くべく、根拠を探しうまく言葉を切り取ってまとめる練習をしていくもの。
しかし息子は根拠となる箇所の探し方が「アバウト」なだけでなく、
「ふんわり」と読み取られた内容を「ふんわり」と自分の脳内に入れ、そこで独自解釈をしたのち、文章内の言葉を使えば良いのに「自分の言葉」で答えてしまう。
その解答を通して語彙が曖昧であることも分かる。
言葉の定義が厳密でないので、言葉の変換がおかしい。
尋ねてみると、文章内の言葉と解答欄に書いた自分の言葉とは「ほぼ同義」だと考えていたと。
でもそんな言葉で答えてしまうと間違いにしかならないというケースがあった。
語彙を増やすとともに、それぞれの言葉の意味をもっと厳密に理解していくべきだと分かる。
またその際には類義語、対義語もきちんと確認していくべき。
その上で正しく文章を読み進め、根拠となる言葉や文の探し方も厳密に。
このような息子を見ていると、確かに解答には時間がかかるだろうと感じられた。
基本的に書いてあることをそのまま素直に切り取って解答すれば良いだけなのに、
自分の中でこねくり回しているのだから。
ある意味で「考えすぎ」にも見える。
分かっている人からすれば「物事はもっと単純」、「もっと素直に読んで解答すればいい」、「もっと簡単なものだよ」と言いたくなる。
でもこの「くせ」のような読み方・考え方・答え方を直すのには時間が必要なようだ。
復習サイクル
同問題集がある程度まで進んだところで、それまでの問題を復習した。
国語は二度同じ問題を解いても答えを覚えてしまっているから・・・云々と言う方もあるけれど、
幸か不幸か息子はそれほどかつての答えを覚えていなかった。
だからまた同じ文章を読み、めぼしい問題を復習する。
どこに根拠がありどう答えるかの確認だ。
そして4冊が終わったら、『中学国語』に入るより前にまた最初の問題からチャレンジしてもらう予定。
抱負
夏休みには、国語の読解だけでなく英語も数学も計画を立てて進めて行く。
大変なように見えて、国語だけでなく英語という他言語も学ぶことで国語の理解もしやすくなるのではないか、相乗効果があるのではないかと感じている。
それに国語の読解が正確に速くできるようになれば、他教科の学習もスムーズになるだろう。
何しろ読解力はすべての基盤だから。
一緒に学んでいると、私の気づきも学びも反省も大きい。
普段よりまとまった時間の取れる夏休み、目標を持ち計画を立て着実に頑張っていきたいと思う。