1年半で中学受験 2022 とその後

都内私立小に通い小6秋までSAPIXに通塾した男子の中学受験とその後。小5 8月、母親(私)が仕事を退職し受験勉強の伴走を開始。小6 12月、SAPIX退塾、2022年外部受験。栄東中進学。

中学生の心理

 

この春中学生になったばかりの中一の息子。

時間は連続的に流れていくけれど、
小学生から中学生へという環境の変化と心身の変化は大きなものかもしれない。

最近ふと、息子の「今」を感じるような出来事があったので
それらを記録しておこうと思う。

 

1つ目は、お友だちとの関係性について。

1学期に国語の定期テストに向けた勉強をしていたときのこと。
問題集で、「やはり」という言葉を使った文を書く問題があった。

言葉の使い方が間違っていなければ何を書いても良いのだけれど、
息子は真剣な顔で考えて
「やはり本当に信用できるのはあの人しかいない。」と書いた。

何と書こうか真面目に考えて、
どうも学校のあるお友だちのことを想いながら書いたらしい。

そして「親よりも信用できる。」と息子は付け加えるように言った。

それまで私は、息子が私の内側にいるような気持ちでいた。
しかしそのとき、そんな息子がスーっと自分から遠く離れて行くような思いになった。

息子は中学生になって新たな環境に身を移し
全然知らなかった人たちとの生活を始めた。

共に生活する中で徐々にお互いが分かるようになり、
部活も始まって気の合うお友だちも見つかったようだ。

そうしてゆっくりお友だちとの関係性を築いていく中で
自分を知り他者を知ることを繰り返してきたのだろう。

何があって「信用できる/できない」なんて判断しているのか
私は知らない。

幼い息子を見ていると、特に深刻なことがあったわけでもなく
たわいもない日常生活の中で、自分軸に基づき判断しているのだろうと思う。

ただその人を「信用できる」と想う、その真剣な眼差しが
私には印象深く、
また「息子は私のものではない」というような感覚を覚えさせた。

息子はその後、そんな私の反応を見て
一度書いたその文をすぐに消し、また違う文に書き替えていた。

 

2つ目は、親との関係性について。

この夏休み、息子は私と一緒に日本語トレーニングに励んでいる。
あるドリルでは一冊で芥川龍之介の『蜘蛛の糸』と『杜子春』の全編が素材になっていた。
本文については、すべて本人に音読してもらいながら進めている。

杜子春』のクライマックス・シーンでのことだ。

仙人になるため峨眉山の頂上で一人試練を受ける杜子春
鉄冠子が帰ってくるまで何があっても口をきいてはならないと言う命を固く守り続けた杜子春の前に、
畜生道に落ち馬の姿に変えられた杜子春の両親が現れる、有名なシーン。

目の前で両親の拷問を見せられても
「声を出してはならない」という教えを守り通す杜子春

しかし、それでもなお息子である杜子春のことを慈しむ優しい母の声が聴こえたとき、
杜子春は目を開けて、
そのお話はこう続く。

母親はこんな苦しみの中にも、息子の心を思いやって、
鬼どものむちに打たれたことをうらむ景色さえも見せないのです。*1

ここを読んだとき、息子は急に大粒の涙を流し始めた。

大金持ちになればお世辞を言い、貧乏人になれば口も利かない世間の人たちにくらべると、
何というありがたい志でしょう。
何というけなげな決心でしょう。
杜子春は老人の戒めも忘れて、転ぶようにその側へ走りよると、
両手に半死の馬の首を抱いて、はらはらと涙を落としながら、
「お母さん。」とひと声をさけびました。*2

息子はこのシーンを、正にはらはらと涙を落としながら読んでいた。

芥川龍之介の『杜子春』は以前から何度も読んだことがあったと思う。
短いお話なので、それこそ息子が小1くらいのときには
私が読み聞かせをしたこともあった。

私からするとかわいらしい子で、
当時は感動的なシーンなどで「え~ん」と涙を見せることもあったが、
このお話で息子が泣いたところを私は見たことがなかった。

だから私はこのときとても驚いて、
でもそうだからこそ淡々とその後もそのドリルを続けていた。

続くシーンも息子の音読が続く。

「何になっても、人間らしい、正直な暮らしをするつもりです。」*3

最後まで息子は鼻をすすりながら読んでいたのが印象的だった。

息子にとっての母親とは私であるが、
息子は私との関係性を重ねてこれを読んでいたわけではないようだ。

ただこのお話に、何かを想い、涙を流していた。

 

まだまだ幼く、危うかったり、厄介だなぁと思ったりする部分も多くある息子。
そしてまた中学生という、ある意味で難しい時代を生きている息子でもある。

一人ひとり個性があって、息子は息子の生き方をするのだろうけれど、
身近な母親としては何となく、「今」の息子はまた以前とは少し違う「中学生時代」を生きているように見える。

「手を離して目を離すな」とも言われる。

息子には、これからも人と人との温かい人間関係の中で、
自己を見出し成長していって欲しいと願っている。

 

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*1:小学館『出口汪の新日本語トレーニング2 基礎国語力編(下)』の表記による

*2:同上

*3:同上

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